我々は日々のエネルギー供給によって便利さを享受している。日本のエネルギー安定供給や災害などの迅速な対応にはいつも驚く。しかしライフラインであるエネルギーはリスク分散を検討しておくべきであり多様な社會に向けて現在のインフラを否定することなく、第三の道を検討するのも環境建築の在り方ではなかろうか。佐戸の家は化石燃料を使わないでエネルギーを自給自足する。電力送電網に繋がないオフグリット住宅である。極限まで熱損失を少なくした軀體は小さく分散化したエネルギーを使用する。主には太陽熱、太陽光、バイオマス(木端材)。ゾーニングや壁?窓の位置を工夫し排熱や蓄熱など自然のエネルギーを最大限活用しながら快適な室內環境を実現している。豊かさとは人間の基本的欲求を満たすことである。それは空気、水、食、暑さ寒さ、明るさ、質感、色などたくさんの要素で構成される。性能だけ上がっても豊かさは享受できずマインドが変化してこそよりよい暮らしを得られるのだと思う。