すっかり使い古されてしまったタイトルですが、
健康的な住まいは今でも熟慮されるべき大切なことです。
シックハウスの問題で法整備されて換気システムの設置が
義務化になってから話題にならなくなりましたが、基準さえクリアすれば
それでOKかと言われると微妙です。
コロナウィルスの問題で換気について議論が再燃しているように
思いますし、建築の室內環境にとっては良いことですね。
ご興味のある方なら換気の方式がいくつかあって、それらの
特徴もある程度ご存じだと思います。
もちろんプロの方々も知っていることです。
僕は「どの方式が良いか」とは斷定することはありません。
どんな方式にもメリットデメリットがあり、すべてのケースに當てはめて
判斷するなど不可能だからです。
確かに????? となる方式もありますのですべてを肯定することは出來ませんが、
前提條件をクリアすれば確かに成立する場合もあるので全否定は出來ない…と
思っています。
答えを出そうと思って書いているわけではありませんが業界で(しかも水面下で)
ヒートアップしている議論の息抜きに一つネタを。
寫真はオーストリアの版築構造の建築。マルティンラウホさんは土建築のスペシャリストです。
2017年に行った時の寫真ですが、オーストリアでは換気システムが義務化に
なっておりませんので(現在は調べてないのでわかりません)伝統的な窓開けによる換気です。
室內も版築壁(土を型枠に押し込んで積んでいく構法)の現しになっているので調濕作用や
においなども分解してくれるそうです。
事実非常に靜穏で臭気もありませんでした。
また、土壁とは言え斷熱性能にも考慮しており冬でも非常に快適な室內でした。
厚さ60‐80㎝の壁なので日本の真壁造りとはちょっと違います。
版築壁は僕も何度か試したことがありますが、モルタルを使わないで粘土だけで
壁にしていくのは非常に難しい…。この辺にノウハウがありますね。
ちなみに日本では土の構造は認められていないのであくまでも仕上げ材ということになるのでしょうか。
世の中には様々なアプローチからエコロジーで健康的な住まいを達成している方がいます。
我々も風土に合ったやり方で追究していきたいと思います。