「溫熱環境と考える]という題でセミナーを行ってきました。
仙臺を中心とした若手設計事務所がリスナーです。
仙臺と言えども寒冷地です。
暖かくて省エネルギーな住まいは全國共通ですね。
完成して2年8ヶ月の花館02の家。外壁は張って3年経ち、杉材はいい色に焼けています。
好みは分かれますが、僕はこの色褪せた感じがとても好きです。色褪せるというとネガティブなイメージですが、
「褪せる」という言葉には「もとの色つやが薄くなる」「もとの勢いが失せる」などと表現されています。
ちなみに「さめる(褪める)」とは染色などが薄くなり、地色に近くなることをいうようです。
「褪せる」に戻りますが、もとの勢いが失せるということは張ったときの雰囲気はなくなり変化していることになります。
色つやが薄くなる、つまりマットな質感に変化していくことになります。
バブルの時代の看板はピカピカ、髪につけるワックスはツヤツヤ、身に著ける金屬はキラキラと光沢全盛期は木材の仕
上げもツルツルのピッカピカなわけです。木材に関して言えば表面は綺麗なものですが、肝心の木の質感がわかりにくく
なってしまうという問題點があります。
マットなものほど光の反射が少ないので材質の良し悪しがわかりやすいことの方が多いです。
外部に使う木材も紫外線と風雨にさらされグレーになります。張った時の勢いは確実になくなり主張を弱めていきます。
田んぼの中に建つ小さなポンプ小屋などは意識の中に入らないほど自然に溶け込んでいることがわかります。
コンクリートむき出しの小屋ならそうはならないでしょう。それだけ木は馴染のある材料ということもあります。
曖昧なことをグレーゾーン、白髪混じりの紳士だとロマンスグレー。
どちらも和製英語ですが、グレーは物事の中間領域を指すことが多いようです。どちらにも傾かないから落ち著きがあり、
調和があり、ある種謎めいた印象です。
いずれにしろこれからも変化が楽しみです。
仕上げに使う石を探しに橫手市十文字へ。國道から間もなく「ヒワタシTG株式會社」がドーンと構えております。
中に入ると大きな作業場に無數の石が所狹しと並んでいます。大理石や御影石、男鹿石や十和田石など「だいたいの種類はあるね」と言った感じ。
しかも大型の切斷機がありますから、流通してないような大きなサイズが加工できます。
規格外を選んでしまいがちな僕にピッタリです。そもそも素材のサイズというのは人間が基準になっていて、例えばピラミットを積んでいる
レンガは人間が両手に一個ずつ持てるサイズと重さになっています。
このモジュールはとても大切ですが、運搬も取付も機械化された現在は場合によって大きなサイズを要求しても問題ないと思います
(施工する職人さんにはご苦労をお掛けしますが)
ヒワタシTGさんにはもう一つ大きな魅力があります。僕らの要望を葉えてくれる技術力と提案力があるということです!
「こういう石がほしい」とリクエストすればセンスのいい提案をして頂き、いつも勉強になっております。
タイルのシェアが多い中、僕は自然石ならではの表情がとても好きで出來る限り設計に取り入れたいと思っています。
地元にこういう會社があるということは大きな財産ですね。